基礎代謝量の計算式、どれを使うのがよい?

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カロリー計算

基礎代謝量の計算式はいくつかあります。
どれを使うのがよいのだろう⁉

そんな疑問に答えます。

本記事ではさらに一歩進んで、

  • それぞれの式で計算結果にどれくらいの違いがでるのか
  • 実際のデータとの比較
  • 基礎代謝量と年齢、身長、体重との関係―10㎏痩せるには何カロリー食事を減らすべき?

も考察します。

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基礎代謝量の計算式

厚生労働省資料に載っていた4つの計算式

本記事では、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版) に載っている4つの計算式を考察します。
この文書の「Ⅱ-1 エネルギー・栄養素」のうち、「エネルギー」の節に出て来る「表4 基礎代謝量の主な推定式」が計算式の出典元です。

本記事で使用するデータ等も、同報告書に載っていたものを使用しています。

国立健康・栄養研究所の式(Ganpuleの式)

本人の基礎代謝量をもっともよく計算できる式として知られている式です。
18~79歳の日本人男女での妥当性が確認されています。
本サイトの基礎代謝量計算機も、この式をもとに作成してあります。

年齢A、体重W(kg単位)、身長H(㎝単位)を入力すると、次の式で1日の基礎代謝量の推定値がキロカロリー(kcal)単位で計算できます。

男性(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.4235)×1,000/4.186
女性 (0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.9708)×1,000/4.186

Harris-Benedictの式

全体として過大評価の傾向にあると、厚生労働省の資料には記述がありました。

男性66.4730+13.7516×W+5.0033×H-6.7550×A
女性655.0955+9.5634×W+1.8496×H-4.6756×A

Schofieldの式

厚労省の資料に載っていたので、ここでも考えます。
どういう由来でどういう評価のある式なのかは、とくに言及がありませんでした。

18-29男性(0.063×W+2.896)×1,000/4.186
女性(0.062×W+2.036)×1,000/4.186
30-59男性(0.048×W+3.653)×1,000/4.186
女性(0.034×W+3.538)×1,000/4.186
60以上男性(0.049×W+2.459)×1,000/4.186
女性(0.038×W+2.755)×1,000/4.186

FAO/WHO/UNUの式

厚労省資料では、やはり詳しい説明はありませんでした。

FAO、WHO、UNUはそれぞれ、国連食糧農業機関、世界保健機関、国連大学のことでしょうから、国連が作成し使用している式ということなのでしょう。

18~29男性(64.4×W-113.0×H/100+3,000)/4.186
女性(55.6×W+1,397.4×H/100+148)/4.186
39-59男性(47.2×W+66.9×H/100+3,769)/4.186
女性(36.4×W+104.6×H/100+3,619)/4.186
60以上男性(36.8×W+4,719.5×H/100-4,481)/4.186
女性(38.5×W+2,665.2×H/100-1,264)/4.186

計算式の出典元での評価

厚労省資料での各式の評価は、すでに述べましたが、まとめると以下の表のようになります。

日本人の基礎代謝量推定の妥当性
国立健康・栄養研究所の式(Ganpuleの式)18~79歳の日本人男女に妥当性あり
Harris-Benedictの式全体として過大評価
Schofieldの式特に記述なし
FAO/WHO/UNUの式特に記述なし

4つの計算式と実データとの比較

ここからは、

  • 4つの式の計算結果がどう違うのか
  • 日本人のデータとどれがよく合うのか

を考えていきます。

日本人男性のデータとの比較

日本人男性の標準的な体重と基礎代謝量のデータが次の表です。

年齢体重基礎代謝量
18~2964.51530
30~4968.11530
50~64681480
65~74651400
75以上59.61280
日本人男性の標準的な体重と基礎代謝量データ

まずは、4つの式を計算してみて、どの式がいちばんよくデータを再現するかを考えてみましょう。

データでは18~29のように、年齢幅ごとにまとめてあります。各年齢幅の上下限(18~29に対しては18と29)で式を計算し、比較します。
身長は、日本人男性の平均身長168㎝を使用して計算した結果が次の表です。

年齢体重身長基礎代謝量
(データ)
国立健康・
栄養研究所
(Ganpule)
Harris-BenedictSchofieldFAO/WHO/UNU
AWHkcalkcalkcalkcalkcal
1864.516815301520167216631664
2964.516815301484159816631664
3068.116815301522164116541695
4968.116815301459151316541695
506816814801454150416521694
646816814801408141013831421
656516814001371136213481395
746516814001341130113481395
7559.616812801276122012851348
7959.616812801262119312851348
日本人男性についての基礎代謝量データと計算結果の比較

もっと簡単に比べられるように、グラフにして比較したのが次の図です。

赤がデータです。グラフからわかることをまとめると、

  • 国立健康・栄養研究所の式が、全範囲でデータに近い計算結果を出すことが確認できる。
  • Harris-Benedictの式が次にデータに近いが、若い男性に対して過大評価する傾向がある。
  • ほかの2式は、さらに広い年齢層でより大きく過大評価する。

日本人男性に対して、 国立健康・栄養研究所の式 を使用するのがベストであることが確認できました。

日本人女性のデータとの比較

同じように、日本人女性のデータとも比較をしてみましょう。

日本人女性の体重と基礎代謝量のデータは次表です。

年齢体重基礎代謝量
18~2950.31110
30~49531160
50~6453.81110
65~7452.11080
75以上48.81010
日本人男性の標準的な体重と基礎代謝量データ

男性の時と同様に、日本人女性の平均身長155㎝を使って、計算式とデータを比較すると次の表が得られます。

年齢体重身長基礎代謝量
(データ)
国立健康・
栄養研究所(Ganpule)
Harris-BenedictSchofieldFAO/WHO/UNU
AWHkcal
1850.315511101153133712311221
2950.315511101117128612311221
305315511601145130712761364
495315511601082121812761364
5053.815511101088122112821371
6453.815511101042115611471180
6552.115510801019113511311164
7452.11551080989109311311164
7548.81551010948105611011134
7948.81551010935103811011134
日本人男性についての基礎代謝量データと計算結果の比較

また、見やすいようにグラフにして比較します。ここでも赤がデータで、男性の時と同様の結論が得られました。

  • 国立健康・栄養研究所の式がもっともよくデータと一致する。
  • 他の3つの式は、とくに50歳未満の女性に対して、基礎代謝量を過大評価する傾向がある。

データと計算結果の比較のまとめ

  • 日本人のデータと一番一致がよいのは、男性・女性ともに国立健康・栄養研究所の式でした。この結論は、厚労省の報告書にあった記述とも一致します。
  • 他の3式はすべて、若い男性と広い年齢層の女性に対して、基礎代謝量を過大評価する傾向が確認できました。
  • FAO/WHO/UNUの式は国連が作成しているので、信頼性は高そうに予想します。それでも日本人のデータとの一致が悪いのは、人種的な偏りがあるのかもしれませんね。

4つの計算式の振る舞いを比較

データとの比較では、年齢層ごとに体重がバラバラで計算しました。

もっと単純な比較として、身長170㎝、体重65㎏に固定して男性の基礎代謝量を計算し、比較したのが次のグラフです。
3つの年齢層で式を変えているSchofieldとFAO/WHO/UNUの2式が、年齢層の切り替わりの年齢で不連続になっているのが確認できます。

女性についても、身長155㎝、体重55㎏に固定して同様の比較をしたところ、次図のようになり、同じ振る舞いを見て取ることができます。

データとの比較の項で、日本人に対しては、国立健康・栄養研究所の式を用いるのがよいことを結論できました。

ここでの比較では、4つの式の計算結果は、最大で2割(300 kcal)くらいの違いが生じる場合があることが分かりました。

基礎代謝量の年齢、身長と体重との関係を理解する

ここまでで、国立健康・栄養研究所の式が日本人男女には、ベストな式であることが確認できました。

この式を使って、基礎代謝量が年齢や体重が変わるとどのくらい変わるのかを考えてみましょう。

国立健康・栄養研究所の式をわかりやすく書き換える

国立健康・栄養研究所の式は、カッコを展開すると、次のように書き換えられます。

男性 11.49×W +5.59×H -3.30×A -101.17
女性11.49×W +5.59×H -3.30×A -231.92

10才 年をとると33 kcal代謝が悪くなる

書き換えた式で、Aに対する依存性を考えてみましょう。
Aが10大きくなると、

-3.30×10=-33 kcal

ですので、10才年をとると基礎代謝量は33 kcal減ることになります。男女ともに同じ数字です。

私は今46歳です。18歳の頃と比べると基礎代謝量の減少は、

33×(46-18)=92.4 kcal

実感としては数百カロリー悪くなっている感じがしてましたが、そんなに減ってもいないのかな⁉

身長や体重への依存性―10㎏痩せるには食事を何kcal減らせばよい?

男女とも式には 11.49×W という項があります。体重が1㎏増えるごとに基礎代謝量は11.49 kcal増えるという意味です。10kgだったら、114.9 kcal増えるということです。
これは逆に、運動を増やさずに10㎏痩せるためには、毎日の食事を114.9 kcal減らしなさいということになります。これは、今日114.9 kcal減らしたら明日に1㎏減るという意味ではなくて、毎日114.9 kcal減らしたら、ゆっくりと10㎏少ない体重に落ち着くという意味です。(何日かかるのかは、この計算からはわかりません。)

身長のほうは、1㎝の違いあたり5.59 kcal多い基礎代謝量になります。私より10㎝背が高い人は、55.9 kcal分余分に食べてよいということですね。

まとめ

基礎代謝量を推定するための計算式4つの計算結果を比較しました。

  • 日本人の基礎代謝量のデータに一番よく一致する計算式は、国立健康・栄養研究所の式です。
  • 計算結果は使う式によって、最大で20%(300 kcal)ほどの違いが出ます。

国立健康・栄養研究所の式から、次のことが分かります。

  • 10才歳をとると、33 kcalだけ基礎代謝が悪くなります。
  • 運動を増やさずに10㎏痩せるためには、毎日の食事を114.9 kcal減らす必要がある。

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